自閉症で動物を描くアーティスト がいます。この人の話を聞くと涙が止まらないよ・・・
「動物を描く自閉症の画家さんってどういう人物なの?」
「どんな苦労があったの?」
こういった疑問を解決します。
亡き母が伝えたかった!自閉症画家の願い
自閉症の動物画家としてフランスの美術展でも受賞し、活躍する石村嘉成さん(27歳)。
手のつけけられない重度の自閉症だった彼を辛抱強く育てた母親の石村有希子さん(享年40歳)の遺志を継いで、父親の石村和徳さんが息子と歩んできた道のりが一冊の本になり話題になりました。
今回の記事では、そんな2歳で自閉症と診断され両親の愛情をたっぷりと受けて育ち、小さい頃から大好きだった生き物の絵や版画を描く石村嘉成さんを紹介します。
石村嘉成さんの描く「動物の絵」には、母親の厳しくも優しい愛と、父親の大きく温かい愛に包まれた嘉成さんの世界がそこにあります。
石村嘉成さんの生い立ち
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1994年に新居浜市で生まれた石村嘉成さんは、2歳の時に自閉症と診断されました。
成長するにつれて、気に入らないことがあると泣きわめく嘉成さんを父親の和徳さんと母親の有希子さんは、この子はどこへも連れて行けないのではないかと心配したそうです。
そんな嘉成さんは、動物園に行くとただただ生き物たちを熱心に見つめていたといいます。
動物園は親子3人で過ごした思い出がある大切な場所なのです。
しかし、お母さんは嘉成さんが11歳の時にがんで亡くなってしまったのです。
それからは父親と2人3脚で暮らします。
2013年高校3年生の時、授業で絵を描きはじめ、卒業後描いた「ミツバチと花」が第2回エコールドパリ浮世・絵展のドローイング部門で優秀賞に輝きました。
石村嘉成さんのお母さん・有希子さんの決意
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2005年母の有希子さんは40歳で亡くなってしまいました。
母・有希子さんは、生前よく
「嘉成は大人になっても誰かの力を借りずに生きていくことはきっと難しい。だから人から愛されるようになってほしい」
と話していたそうです。
「この子にも生かせる能力があるはず」母はそう信じて”療育”に厳しく向かい合いました。
好きな動物園に通い、図鑑をたくさん買い動物のビデオも撮りためました。
お母さんは、嘉成さんがどんなに泣き叫んだ後も、動物のビデオは食い入るように見ていました。
我が子の将来を心配しつつも決して諦めなかった母・有希子さんと歩んできた道のりが、嘉成さんの原点です。
母・有希子さんの先見の目
嘉成さんは幼い頃から動物が大好きで、それを見抜いたのはお母さんの有希子さんです。
自宅から車で1時間ほどの「とべ動物園」に連れて行くと、人が変わったように落ち着いて動物をじっと見ていたそうです。
動物とよく目が合い、なんだか意志の疎通も図れていたように感じていました。
そこで、テレビや図鑑、絵本などでも動物に触れる機会を与え続けていたそうです。
お母さんと一緒に過ごした時間こそが、彼の人生を形成する大切な基盤となり、数々の動物たちを描く源となっているようです。
また経験の積み重ねられされ熟成し、独特のタッチで動物を描く画家・石村嘉成が誕生したのです。
石村嘉成さん画家への歩み
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嘉成さんが芸術家になろうと決意した原点は高校時代にあります。
高校3年のとき、選択できる授業がありました。商業高校だったので「簿記」や「パソコン」などがある中、「絵画」を選択しました。
「勉強が苦手なので、授業中に絵を描いていればいいから」くらいの軽い気持ちでした。
美術の先生は、「嘉成君の作品はとても良いから版画をやってみたらどうかな?」と勧められました。画家への道がここから拓かれていくのです。
そこで嘉成さんは、大好きなカマキリやトンボの版画を創り、それをある版画の専門学校の公募展に出品したところ入選したのでした。
タイトルは「友達のワンダーランド」。色鮮やかな背景に、カマキリやアリが生き生きと躍動する作品です。
そして、全校集会で壇上に上がり表彰された嘉成さんは「なんだか知らないけれど、みんながぼくの作品のことで喜んでいるぞ!」とそれ以来、虫や動物の絵をたくさん描くようになったのです。
そうなんです。石村嘉成さんは版画を使った画家なのです。
黒い墨を塗った版木に、あらかじめ色付けした和紙を重ねて刷っていくのが流儀です。
版画の作業の中には、彫りという作業があります。彫刻刀を持って版木をサクサク掘ることはとても楽しいです。版画には嘉成さん自分の言葉を入れます。
そして嘉成さんの版画では、紙にあらかじめ色を置いておき、最後に黒い線を刷って仕上げます。
これまで仕上げた作品は、400点を超えています。個展を開催すれば美術館の来場記録を塗り替えるほどの人気です。
石村嘉成さんは努力の人
嘉成さんの絵の才能の裏には、積み重ねてきた努力があると話す父・和徳さん。
そして、『好きなことは一番の強みだ』とも語っています。
嘉成さんは、毎日、絵日記を書き続けました。
右のページにはその日あったことを記録し、左のページには、その日一番興味があった動物を描きました。
寝る前には毎日2、3時間以上かけて描いたといいます。
旅行先にも、日記帳と色鉛筆を持って行き、ホテルで夜寝る前に描いていたそうです。
嘉成さんの絵日記は10年も続いたとのことです。
石村嘉成さんが描く動物の目
中津万象園丸亀美術館【石村嘉成展】へ行ってきました。素晴らしい作品の数々でパワーと感動をもらえました。ありがとうございました。#石村嘉成 pic.twitter.com/h4nWTbu2uu
— 小林隆 (@takashi_k9977) January 10, 2021
嘉成さんの大好きなお母さん。だから好んで取り上げるテーマがあります。
それは・・・生きた動物の親子。
お母さんが見守ってくれる「ささやかで」「とっても優しい」感じがします。
生き物の気持ちになって伝える作品には、いつも言葉が添えられます。
嘉成さんの描く動物たちは、まっすぐにあなたを見つめています。
力強く、命の輝きを放つ目。
会うたびに増えていく嘉成さんの作品には、変わらない動物への愛情がひしひしと伝わってくる。母親の厳しくも優しい愛と、父親の大きく温かい愛に包まれた嘉成さんの世界がそこにある。嘉成さんは、今後の夢についても話した。
それは、何かを訴えているような、静かに深く熱い、真剣なまなざし。嘉成さんの作品には、変わらない動物への愛情がひしひしと伝わってくるのです。
今夜7時🕖
「RSK地域スペシャル#メッセージ
天国の母と描いた動物たち」「天国のお母さんに褒められたい」
亡き母親との想い出が詰まった動物園で
絵筆を走らせる自閉症の画家 #石村嘉成 さん。
池田動物園で新作に取り掛かります。
嘉成さんが描く動物たちが、私たちに語りかけてくるものとは? pic.twitter.com/pjDmaPAqJl— RSKテレビ(RSK山陽放送)@岡山・香川の朝🌅は『THE TIME,』 (@RSK_tv6) November 17, 2021
「人の評価を自分で考えるのも難しい、だから自分のん評価を気にせず頑張ればいい」
まとめ
嘉成さんの画家としての今後の活躍を期待しますが、「自閉症児や障がいを持つアーティストがもっと正当に評価される世の中に」を目指す和徳さんの活動がこれからも楽しみです。
「子どもとの向き合いかたについて、多くの人に知ってほしい」そう願ったお母さんの有希子さんの想いたくさんの方に届くといいなぁと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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