今回の記事は、漫談家の綾小路きみまろさん。
中高年のアイドルとして”毒舌漫談”で一躍スターになったきみまろさんは、現在71歳。
司会者を目指して上京した18歳から芸人を続けてきました。
続けた先に未来がある
焦らず、腐らず、努力する！
綾小路きみまろプロフィール
1950年、鹿児島県生まれ。本名は假屋 美尋（かりや よしひろ）
1979年に日劇で漫談家としてデビュー。
2002年、漫談を収録した『爆笑スーパーライブ第1集!中高年に愛をこめて⋯』(テイチ)をリリースし、漫談CDとDVDを合わせ累計売上540万枚を突破を記録。
メジャーデビューを果たし、全国各地で公演を続ける。
綾小路きみまろの人生
「長年、がむしゃらに突っ走ってきて、やっとゆっくりする時間ができました」と語る綾小路きみまろさん。
コロナという災いのせいでしたが、考え方を変えれば、「少し休め」と時間を与えられたようなものではないでしょうか？
富士山が見える河口湖畔の家で、畑仕事に精を出しています。
ダイコン、ニンジン、カボチャ、ジャガイモ⋯⋯。
土をいじっていると、「おまえもよくがんばったな」と、昔を振り返って心が熱くなるとのことです。
綾小路きみまろの名言：「わかってくれる人」の存在が力になる
芸人の道を歩みはじめたのは、二十二歳のとき。
決してのんびりいこうと思っていたわけじゃありません。
しかし、結果的にブレイクしたのは五十二歳。三十年間、日の当たらないところで潜伏生活を送ってまいりました。
もともとは、司会者になるのが夢だった。
子どもの頃から人と話すのが好きで、田舎育ちの私は、ほかにどんな職業があるかも知らずに、当時の名司会者、玉置宏さんのようになってみたいと憧れていたのです。
十八歳、おやじにもらった一万円札を握りしめ、夜行列車で上京します。
最初にチャンスをもらったのは、キャバレーの司会業。
シアターキャバレーといって、お酒を飲みながら歌やダンス、漫才などエンターテインメントショーを楽しむ文化の全盛期でした。
美しいドレスを着たホステスさんがニ、三百人もいるような華やかな場所で、私も司会進行だけではなく、今の漫談につながるトークの技術を磨いてきました。
そして、これがきっかけで、森進づさんや小林幸子さん、価代夏子さんなどの歌謡ショーの司会を任されるようになったのです。
全国津々浦々を飛び回る忙しい日々。けれど、それだけでは飽き足りませんでした。
司会業というのは、常に人を紹介するのが仕事で、私自身は誰からも紹介されません。
自分の実力で身を立て、いつか人に紹介されるような人間にならなければだめだ。
そう考えた綾小路さんは、漫談家として表舞台で勝負しようと決めたのです。
しかし、これがいばらの道でした。昔働いたキャバレーのステージや小さな劇場で舞台に立つのですが、なかなか認められません。
テレビではちょうど漫才ブームが到来し、ツービートのビートたけしさんや星ルイスさん、B&Bさんなど、同じ舞台に立ったことのある芸人さんたちがどん人気者になっていきます。
そんななか、綾小路さんだけが相変わらず売れない。
「笑点」や「お笑いスター誕生！！」など、テレビ番組のオーディションもずいぶん受けましたが、ことごとく不合格。
自分だけが取り残されていくような焦りと悔しさで、眠れない夜もありました。
それでも、やめようと思わなかったのは、たとえ十人でも二十人でも、私の漫談で笑ってくださるお客さんからがいたからです。
「あいつ面白いのになんで売れないんだろうね」という先輩の声を伝え聞くこともありました。
「こんな自分でも、わかってくれる人がいる」それが信念となって、くじけそうな心に鞭打ってくれたのです。
綾小路きみまろの名言：なりふり構わずチャレンジする
その「わかってくれる人」を一人でも増やそうと、自作の漫談を吹き込んだカセットテープを配ったのが転機でした。
配る場所は、老人ホーム、病院、美容院⋯⋯と最初は悩みましたが、「そうだ!」とピンときたのが観光バスでした。
バスならカセットデッキもあるし、道中聞いてもらえるかもしれません。
それからは、毎晩夜なべして、カセットテープ作りです。
自宅で一本一本ダビングし、手作りのラベルも貼りました。
こうしてできたテープを持って、観光バスが集まる高速道路のサービスエリアへ行き、運転手さんやバスガイドさんたちに無料で配り歩いたのです。
その数、約三千本にのぼります。
奥さんには、「労力とお金をドブに捨てた」とあきれられ。
不審者扱いされるて、警備員につまみ出されたこともありました。
すでに私は四十代後半。「いい歳をして、何をバカなことを」と、かげで笑った人もいました。
それでも、なりふり構わず続けました。
すると次第に「おもしろいテープがある」と口コミで評判が広がったのです。
カセットテープに連絡先を入れておいたので、自宅には問い合わせの電話がジャンジャンかかってくるようになりました。
最初は一日五本か十本、やがてそれが二十本になり、翌日は四十本になり⋯⋯と、倍々に増えていきました。
その後、噂を聞きつけたレコード会社からお声がかかり、ついに私の漫談CD『綾小路きみまろ 爆笑スーパーライブ第1集!中高年に愛をこめて⋯』が発売されました。
すると、これが大ヒット。おかげさまで、私の名前は一躍全国のお茶の間に広がりました。
当時の売上ランキングでは、浜崎あゆみさんとXILEさんにはさまれて、「綾小路きみまろ」がおりました。
齢、五十二です。
色々な人から、「誰?このヘンなオジサン」と思われたようです。
綾小路きみまろの名言：夢を叶える秘訣は、やめないこと
あれから十八年。綾小路さんのネタは、「中高年、どこか似ている深海魚」などと毒舌が売りです。
綾小路さんがまだ若い頃は、「バカにしているのか」とよくクレームがつきました。
けれど、今は綾小路さん自身も中高年。
カツラを被って毒を吐くから「あんたが言うならしょうかないね」と許されます。
最初は「どうせ一発屋」と言われましたが、みなさんに支えられてここまできました。感謝しかありませんと語っています。
時々、若い芸人さんから「売れないんです。どうしたらいいですか?」と相談されます。
「今、いくつ?」と聞くと、三十代や四十代。確かに焦る気持ちもわかります。
でもね、そんなとき、綾小路さんは言います。
腐ったら、終わり。人生、最期まで何があるかわかりません。
夢を吐える秘訳は、やめないことなんです。
もちろん、ただのんびりと続けているだけではだめですよ。努力しながら、のんびり構えること。自分を信じることと語っています。
綾小路さんもあと何年続けられるかわかりませんが、応援してくださる方がいる限り、やっていこうと決意しています。
やめどきは、ステージで同じ話を三回くり返すようになったときじゃないでしょうか(笑)。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました！
関連記事
ビートたけしの下積み時代前は漫才志望ではなかった！浅草キッド時代
運が良くなる方法４選 、本当に運を上げる行動をしていますか？
応援お願い致します。
コメント