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植木等は無責任な男ではなく、笑いからサラリーマンや人々を幸せにしていた!

【後編】植木等は無責任な男ではなく、笑いからサラリーマンや人々を幸せにしていた! 【スーダラ伝説】どん底からの逆転人生
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TOM
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わかっちゃいるけどやめられない!

戦後ニッポンを笑い飛ばした奇跡のコミックソング「スーダラ節」それを歌った”植木等”さん。

【スーダラ伝説】前編をお話しました。

 

植木等さんの話し続きが聞きたい!

こういった疑問に答えます。

 

植木等の「スーダラ伝説』「わかっちゃいるけど やめられない!」後編

 

昭和50年代にNHKで放映されていた歌番組に、『ビッグショー』がありました。これは一人のビッグ・スターが、自ら司会もしながら45分間出ずっぱりで歌う(時には1人だけゲストを呼ぶ時もありましたが、)という構成の番組で、当時はこれに出演できれば、NHKからトップスターのお墨付きを貰ったという位に権威のある番組でした。

クレージー・キャッツの全盛期は1960年代で、70年代に入るとドリフターズに追い上げられ、特に若年層の間ではドリフターズの方が人気があったように記憶しています。

ミュージシャンとしての技量では、クレージー・キャッツの方がずっと上だと思えたこと、ドリフターズは下ネタこそやりませんでしたが、品位の無いギャグが多く、笑いの質がクレージー・キャッツに比べて劣ること、ヴォーカル(植木等と加藤茶)の力量が段違いなことなどによります。

前編はこちらです。

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植木等のスーダラ伝説 後編

57年に谷啓に誘われてクレージー・キャッツに参加した彼は、『大人の漫画』、『シャボン玉ホリデー』などのテレビ番組に出演したことで、一躍茶の間の人気者となりました。

しかしその人気が爆発したのは、何と言っても61年8月に発売となった『スーダラ節』の大ヒットからでしょう。

 

植木等のスーダラ節

Image

この歌は青島幸男の作詞、荻原哲晶の作曲によるものですが、この歌の譜面を渡された時、植木等は大いに戸惑ったといいます。

僧侶になるべく育てられた等はきわめて真面目な性格であり、しかもこの時34歳の彼には、10年以上も正統派の歌手としてキャリアを積んできた自負もありました。

 

♬「分っちゃいるけど やめられねぇ」

♬~

「スーダラ節」を作り上げたのは…クラシックのエリートになる道を捨てた
音楽家。

胸の病気を患いサラリーマン社会に乗り切れなかった放送作家。

専門家の分析から分かったのは大胆な音楽的工夫でした。

♬「ア ホレ スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ」

 

しかし この歌の誕生を前に大きな壁が立ちはだかります。肝心の植木が歌うことを拒んだのです。
葛藤する植木の背中を押したのは父のひと言でした。

 

『こんな曲を歌ったら、自分の人生が変わってしまうのでは』と思い悩んだ彼は、ついに父親に相談を持ちかけますが、父親は歌詞を一読して、「分かっちゃいるけどやめられないと言うのは、浄土真宗の開祖・親鸞の教えとも一致する。是非とも歌うべきだ」と進言しました。
何とも素晴らしい父親があったものですね。

そして始まった…  やけのやんぱち。 もう レコーディングの…

♬「スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ」

戦後日本を笑い飛ばした希代のコミックソング。

当時のレコーディングは歌唱と演奏の同時録音。 植木は 何度もテイクを繰り返します。

♬~

そして 植木が疲れきって
全てを投げ出した時

あの歌声が響きました。

♬「これじゃ 身体にいいわきゃないよ」

♬「分っちゃいるけど やめられねぇ」

♬「ア ホレ スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ」

♬「スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ」

♬「ア スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ」

♬「ア スイスイ スーダララッタ
スーダララッタ スイスイときたもんだ」

その場の誰もが どぎもを抜かれた面白さ。

スーダラ節(植木等)昭和36年

それから植木等は様々に工夫を凝らした結果、あの何とも人を食った植木節を作り上げました。

こうして『無責任にスイスイ世の中を渡っていく男』というキャラクターを確立したことが、彼のコメディアンの地位を不動のものとしたのです。

植木 等さんの父 徹誠さんは「スーダラ節」を聴き「親鸞の教えに通じるものがある」と
太鼓判を押しました。

その教えとは…。

 

いかに 仏の教えに身をささげても悪い心が起こることを断ち切れない。
晩年を迎えた親鸞が自身の愚かさを吐露した一節です。

 

「スーダラ節」の「わかっちゃいるけどやめられない」と重なってきますよね。完成した 「スーダラ節」。

それにしても、植木等は他のコメディアンとはまったく異なる資質を備えていました。

普通コメディアンは渥美清や藤山寛美のように、見ただけでなんとなく笑いを誘う容貌の持ち主が多いものですが、植木等は色悪と呼ばれた程の二枚目でした。

また最初は歌手を志しながらコメディアンに転じて成功した例に、藤田まことや坂上二郎があります。

しかし彼らは確かに美声ではありましたが、先行する大歌手に似た音質で、音楽関係者からは歌手としては大成しないと、烙印を押されていました。

それに比較すると、植木等は発声の基礎がしっかりしている上に個性的な音色とあって、歌手としての実力は誰もが認めるものでした。

植木等の本領は、二枚目がコメディを演ずる、正統派の歌手がいわゆる植木節を歌うというところにありました。
その落差の大きさが、誰にも真似のできない植木等の世界なのでした。

植木等のヒット曲は数多くありますが、彼の特色がもっともよく現れているのは、『ハイそれまでよ』だと私は思います。
歌い出しの『あなただけが生き甲斐なの お願いお願い捨てないで』の部分を、植木等は持ち前の甘い美声で朗々と歌い上げます。『おっ、今日は真面目に歌うのか』と観客に思わせておいて、次の瞬間、『てなこと言われてその気になって』から表情も発声もがらりと変わって、いつもの植木等の世界にはいっていくのです。

 

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植木等の苦悩

しかし その存在が 植木さんに更なる葛藤をもたらすことになります。

父の言葉を信じ「スーダラ節」を歌った等。

そこに ある映画の話が舞い込んできます。

よう! おはよう!

サラリーマンが主役の その映画は「ニッポン無責任時代」。

君ねえ 初日から遅刻とはどういうこと?部長さん 固いこと抜きでいきましょう。

えっ?

♬「俺は この世で一番無責任と言われた男」、真面目でコツコツなんてそしらぬ顔。

植木が演じる 「無責任男」の映画は次々と製作されます。

♬「たまに会社にいてもデスクじゃ いつでも居眠り」

♬「遅刻に早引け ズル休みそれでも社長になった」

青島と萩原のコンビが手がけた曲も大ヒットを連発します。植木の歌声は まさに 高度成長日本のBGM。

しかし そこに大きな変化が訪れます。1970年代。
オイルショックなどが起こり高度経済成長は 終わりを告げます。

萩原は クレイジーキャッツの曲から離れドラマ音楽の道へ。青島も タレントや作家活動政界に進出しそれぞれ 活躍の場を移していました。

自らの進む道に苦悩する 植木。無責任男から脱却しようと模索します。

 

それは 短期間で公開が終了し幻の作品と呼ばれていた等の主演映画 「本日ただいま誕生」。シベリア抑留を経験した僧侶の実話を元にした映画です。僧侶の息子として育った等。

出演を 二つ返事で受け入れ頭をそって臨むほどの意気込みでした。

しかし、資金難に陥り 一時は製作中止の危機を迎えた映画製作。

等は 自ら金策に駆け回り撮影継続に こぎつけたといいます。

嫌です! 両足切るなんて嫌です!切らなければ死ぬぞ。両足を失い 自暴自棄になる主人公。

しかし 僧侶となることを決心しある真理に たどりつきます。

よかったねえ。足がなくなったんじゃない。足は 初めからなかったんです。
観音様。 私 大沢雄平は本日ただいま誕生いたしました。

今日からは安住のすみかなど求めず本当の生き方を探し求めます。

決して 多くの人の目には触れることのなかった映画。

しかし この挑戦が等の「スーダラ節」や「無責任男」への意識を変えました。

それは 人々が望む「無責任男」のイメージを受け入れ「スーダラ節」を歌い続けるという決意でした。

♬「ア ホレ スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイ」

それから10年。

バブルに沸いた日本に「スーダラ節」は リバイバルヒット。時代を笑い飛ばします。

 

2007年に80歳で その生涯を閉じるまで「スーダラ節」を歌い続けた植木 等。

無責任男を責任を持って演じ続けました。

♬「分っちゃいるけど やめられねぇ」

♬「ア ホレ スイスイ スーダララッタ」

戦後日本に生まれた奇跡のコミックソング 「スーダラ節」。

誰もが弱さを抱えて生きる今日もどこかで 流れ続けています。

♬~

♬「スイスイ スーダララッタ
スーダララッタ スイスイ」

♬~

 

 

少しでも参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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