「アインシュタインはどんな発見をしたの?」
「原子力を発明したのはアインシュタインなの?」
「アインシュタインが絶賛した人類最大の発明って?」
アルベルト・アインシュタインはドイツ生まれの世界でもっとも有名な物理学者です。物理学の常識をくつがえして、現在の物理学の基礎となるような重要な発見を幾つも発表し「20世紀最高の物理学者」とも呼ばれています。
アインシュタインの発明で一番知られているのは相対性理論ですが、その概念が原子力にも関りがあるため、度々アインシュタインと原爆は紐づけて語られることも多いのです。
この記事ではアインシュタインの発見した理論や発明を紹介するとともに、原子力とアインシュタインとの関係も紹介していきます。
アインシュタインの発明
光電効果の理論
光電効果とは物質に光が照射された時に、電子が放出されたり電流が流れたりする現象のことです。光を電気信号へと変換する技術としてデジタルカメラに使用されたり、太陽光発電を動作させる原理として広く利用されています。
光電効果には「外部光電効果」と「内部光電効果」があり、ただ単に光電効果と表現されている場合は「外部光電効果」のことを指す場合が多いです。
初めて光と電流の関係性に気付いたのはアレクサンドル・エドモン・ベクレルで1839年のことでした。その後ドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツやフィリップ・レーナルトによって解明が進められましたが、19世紀の物理学では解明不能な部分もありました。
しかし、1905年アインシュタインの論文によって解き明かされ、その功績により1921年にノーベル物理学賞を受賞しています。
相対性理論
アインシュタインが発見した理論の中で最も有名なのがこの相対性理論です。
物理学者アイザック・ニュートンの「時間と空間は絶対的だ」としたニュートン力学に疑問を持ったアインシュタインは、光の速さは一定としつつ運動状態にある物体にとっては「時間と空間は相対的だ」という結論に達しました。
現在相対性理論はカーナビなどに搭載されている「GPS」が正確な位置を割り出すために使用されたり、原子力発電所などの原子炉がエネルギーを生み出す原理などに使用されています。
ブラウン運動の理論
ブラウン運動とは液体や気体中に存在する微粒子が、不規則に運動を行う現象のことです。イギリスの植物学者ロバート・ブラウンが水の浸透圧によって破けた花粉を顕微鏡で観察して発見し、1827年に論文「植物の花粉に含まれている微粒子について」で発表しました。
長年、なぜブラウン運動が起こるのかは不明でしたが、アインシュタインによって1905年に「微粒子が含まれる液体や気体の分子の不規則な衝突」によって起こっていることが解き明かされました。これにより当時不確定だった分子・原子の存在が実験によって証明できる可能性が浮上しました。
身近なところでは洗剤や除菌剤の汚れ成分を分解する原理や、コンピューター・グラフィックスの世界で新しいCG技術などに使用されています。また医療の分野では血清や血しょうの粘度を測定するために使用されています。
シラードの冷蔵庫
1920年代半ばに冷蔵庫は従来の氷で冷やすシステムから、電気を用いて冷却するシステムに変わりつつありました。しかし当時の冷却システムは不完全で、有毒ガスが発生する事故などが起こり問題になっていました。
そのことを知ったアインシュタインは物理学者レオ・シラードとともに、安全性に配慮した電気モーターを使用しない冷蔵庫を開発しました。手段の違う3種類の冷蔵庫の開発に成功し、従来型であるガス吸収式の改良タイプと水圧を利用したタイプ、液体金属を利用するタイプがありました。
これらの技術に対しアインシュタインはスイス特許庁に勤めていた経験を活かし、特許を申請し1930年に取得しています。しかし1930年代に世界恐慌が始まったことと、ドイツでナチスが台頭し経済的・政治的状況が不安定になったことが原因で商品化に至ることはありませんでした。
重力レンズ
重力レンズとは恒星や銀河が発生させる光が、進む途中にある天体の重力によって方向が曲げられたり、曲げられた複数の光が集まって明るく見えたりする現象です。重力レンズには「強い重力レンズ効果」と「弱い重力レンズ効果」 の2種類が存在します。
1936年にアインシュタインは重力レンズ効果の中でも対象物、重力源、観測者が一直線上に位置する場合に限りリング状に見えることを発見しました。その功績によりリング状に見える重力レンズのことを「アインシュタイン・リング」と呼んでいます。
重力レンズ効果の発見は天文学に大きな変化を与えました。本来観測者から見ることのできない惑星や恒星を、この重力レンズ効果を利用して発見することができるようになったのです。
アインシュタインと原子力の関係
アインシュタインはマンハッタン計画に関わっていたか?
第二次世界大戦が始まる直前の1939年8月2日、当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト宛てにアインシュタインの署名が入った書簡が届けられました。
内容はアインシュタインの友人である物理学者レオ・シラードらの研究により「ウランによる連鎖反応によって生み出された強大なエネルギーが爆弾として利用可能だ」という結論に至ったこと、ナチス・ドイツがこのエネルギーの開発に着手することなどが記されていました。
書簡を受け取ったルーズベルト大統領は原子爆弾開発・製造のために科学者、技術者を呼び寄せ、マンハッタン計画を開始しました。第二次世界大戦の終戦間際に日本の広島と長崎に原子爆弾が投下されたことを知ったアインシュタインは、激しく手紙を書いたことを後悔したといいます。
結果としてナチス・ドイツは核兵器を開発しませんでした。アインシュタインは「ドイツが原爆の開発に成功しないと知っていたら、爆弾のために何かをすることはなかっただろう」と語っています。
相対性理論と原子爆弾
アインシュタインが相対性理論を発表したのは原子爆弾が誕生するより前だったので、アインシュタインが直接原子爆弾を生み出したわけではありません。しかし相対性理論の「エネルギーと質量は比例する」という論理が原子爆弾製造の基本になっています。
ウラン型原子爆弾の基となる「ウラン」は、自然界に存在する元素の中で最も重い元素です。ウランの原子核に中性子をぶつけると核分裂が起こり、核分裂片と中性子に変わります。この「核分裂片と中性子」の重量は、分裂前の「ウラン原子と中性子」の重量より少し減少します。
この減少した分の質量がエネルギーに変わるという現象が連続して起こると「核連鎖分裂」が起き「臨界」状態となります。この現象を利用したのがウラン型原子爆弾です。
まとめ
「20世紀最高の物理学者」と呼ばれたアルベルト・アインシュタインが発見した理論や発明の数々は、現在の物理学に計り知れない影響を与えました。その理論を用いて発展した分野や学問は、現在の私たちの暮らしを豊かにしてくれています。
ぜひ物理学に興味を持ってアインシュタインの功績に触れてみてください。将来もしかしたら未来のアインシュタインになれるかもしれませんよ?
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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